更新推奨時期に満たない高圧ケーブルの波及事故増加について
経済産業省からの注意喚起が行われた、更新推奨時期に満たない高圧ケーブルの波及事故(電力会社に供給支障を与える、地域一帯の停電を引き起こす事故)の増加について紹介します。
出典:経済産業省 2025年6月27日・2023年12月1日
製造から15年未満での波及事故が増加
経済産業省の下図は、全国の自家用電気工作物設置事業場で発生した、高圧ケーブルの絶縁劣化を原因とする波及事故を、ケーブル製造からの経過年数で分けたものです。
ケーブルを原因とする波及事故のうち、ケーブルの製造から15年未満の割合は令和元年度の11.3%から令和5年度の52.0%へ増えています。
経済産業省は、更新推奨時期に満たない場合も定期点検を行い、劣化の兆候があれば速やかに更新するよう注意喚起しています。
なお、特定のメーカーでは、特定ロットの高圧ケーブルが不良だった場合に、更新費用の一部を出していただける場合があります。施工からの年数が浅い場合に不良となった場合、メーカーへの確認が有効です。
水トリー現象とは
絶縁体に使われる架橋ポリエチレンなどに、水と電界の影響で小さな亀裂が生じ、樹枝状に成長する現象です。外部半導電層から導体に向かって進むものを「外導トリー」と呼びます。
すなわち、埋設施工された高圧ケーブル等、水に触れ続ける場合に波及事故を起こしやすくなるケーブルが、最近増加しています。
出典:経済産業省・2025年6月27日、1ページ。地絡痕と絶縁体の写真は同資料2ページに掲載されています。
E-E/E-Tタイプの選定
敷設環境に水の影響がある場合は、より耐水トリー性の高いE-Eタイプが適しています。
| 比較項目 | E-Eタイプ | E-Tタイプ |
|---|---|---|
| 外部半導電層 | 押出成形 | テープ巻き |
| 耐水トリー性 | 高い | 敷設環境と品質に関する説明に留意 |