更新推奨時期に満たない高圧ケーブルの波及事故増加について

経済産業省からの注意喚起が行われた、更新推奨時期に満たない高圧ケーブルの波及事故(電力会社に供給支障を与える、地域一帯の停電を引き起こす事故)の増加について紹介します。

出典:経済産業省 2025年6月27日・2023年12月1日

製造から15年未満での波及事故が増加

経済産業省の下図は、全国の自家用電気工作物設置事業場で発生した、高圧ケーブルの絶縁劣化を原因とする波及事故を、ケーブル製造からの経過年数で分けたものです。

ケーブル製造年から事故発生年までの経過年数(全国) 自家用電気工作物設置事業場における高圧ケーブル絶縁劣化起因の波及事故件数。製造から15年未満の割合は、令和元年度11.3%、令和2年度29.6%、令和3年度22.9%、令和4年度51.3%、令和5年度52.0%。 ケーブル製造年から事故発生年までの経過年数(全国) 15年未満 15年以上 事故件数(件) 0 30 60 90 120 令和元年度 令和2年度 令和3年度 令和4年度 令和5年度 事故発生年度(年度) 令和元年度:15年未満 11.3% 11.3% 令和2年度:15年未満 29.6% 29.6% 令和3年度:15年未満 22.9% 22.9% 令和4年度:15年未満 51.3% 51.3% 令和5年度:15年未満 52.0% 52.0%
出典:経済産業省 電力安全課「更新推奨時期に満たない高圧ケーブルにおける水トリー現象に係る注意喚起」(2025年6月27日)、1ページの図の数値を用い、当事務所で再構成。

ケーブルを原因とする波及事故のうち、ケーブルの製造から15年未満の割合は令和元年度の11.3%から令和5年度の52.0%へ増えています。

経済産業省は、更新推奨時期に満たない場合も定期点検を行い、劣化の兆候があれば速やかに更新するよう注意喚起しています。

なお、特定のメーカーでは、特定ロットの高圧ケーブルが不良だった場合に、更新費用の一部を出していただける場合があります。施工からの年数が浅い場合に不良となった場合、メーカーへの確認が有効です。

水トリー現象とは

絶縁体に使われる架橋ポリエチレンなどに、水と電界の影響で小さな亀裂が生じ、樹枝状に成長する現象です。外部半導電層から導体に向かって進むものを「外導トリー」と呼びます。

すなわち、埋設施工された高圧ケーブル等、水に触れ続ける場合に波及事故を起こしやすくなるケーブルが、最近増加しています。

出典:経済産業省・2025年6月27日、1ページ。地絡痕と絶縁体の写真は同資料2ページに掲載されています。

E-E/E-Tタイプの選定

敷設環境に水の影響がある場合は、より耐水トリー性の高いE-Eタイプが適しています。

外部半導電層の構造と特徴
比較項目E-EタイプE-Tタイプ
外部半導電層押出成形テープ巻き
耐水トリー性高い敷設環境と品質に関する説明に留意

出典:経済産業省・2025年6月27日、2ページ。

参考資料